コダーイ・システムとは

 ハンガリーの作曲家であり、また教育家でもあるコダーイ・ゾルターン氏(1882〜1967)によって提唱された音楽教育方法であると共に全人的発達に大いに役立つ教育方法です。
 コダーイ・システムの’わらべうた’では、感受性を育てることを美的教育といいます。美的教育には、四つの事柄があります。

@感受性を育てる (主観的・内面的)

  内面的な感受性を育てるためには、まず大人が何をどのように感じ、何が大事であるかを意識化し、子どもを信頼し、共に感じたことを分かち合うことです。子どもに見て欲しいもの(自然に対するもの・芸術的なもの)を伝えることで、人間的な美を内側からでる雰囲気によって子どもにも感じさせる。このように目に見えないものの中で子どもは感じる力(感受性)を身につけていきます。

A感受性を育てる(客観的・外面的)

  ここで重要なことは、適切な環境作りと空間の決まりです。環境(建物・部屋・自分の周りの客観的全て)が美的で整頓されていることは、子どもを尊ぶ事につながり、子どももそれを感じ取ります。また空間(自分の席・持ち物の場所等)がいつも決まっているということにより、子ども自身の行動に明確さを持つようになり、自分がどこに属しているかを知ります。つまり集団の中での一体感、所属感を作っていくことができるのです。

B集団の伝統と感受性

  社会集団の最小単位である家庭の中で、父母が物理的・精神的に助け合い(感じあい)ながら子どもを育てていく。その様な家庭の中で育った人間は、子ども自身でも助けることを学び、如いてはもっと違った人を助けることも身に付け、一生忘れることはありません。

C美的教育としての母語教育

  美的教育の中で最も重要な要素が母語教育といわれています。母語教育とは、全ての子どもが母親の話す言葉を自分の言葉とし、如いては母語への愛着を深め、言語の発達を促し、文学的興味へと発達させるものです。また、母語教育ではそれぞれの年齢に合った声・速さ・表現で、なおかつその子どもにとって美しく、柔らかく響き、子どもの想像力を養い現実の向こうにあることをイメージできるようにしなければなりません。それは、人間の発達において国や人種に関わらず重要な要素であり、コダーイ・システムによる音楽教育が単なる音楽を与えるものでなく、全人的発達に大いに役立つ所以なのです。
 昨今、世の中のグローバル化に伴い英語をはじめとする外国語の重要性が叫ばれ、それは子どもの世界でも例外ではなくってきました。しかし、子どもを外国語漬けにするだけでは、本当の言語を身につけられないことは、賢明なお母様ならすでにお気づきのことでしょう。どの国の語学であれ、それが’ことば’であることに変わりありません。語学に興味を持つこと、すなわち’ことば’に興味を持つことから始まるのでばないでしょうか。幼児期に日本語のイントネーションと深く結びついた’わらべうた’に接することは、’ことば’のもつ面白さ・楽しさ・美しさを実感し、’ことば’に興味を持つ第一歩ともなるのです。また、近年人との関わりに行き詰まってしまう青少年の様々な事例見聞きします。テレビゲームばかりしているからとか、昔のように外遊びをしなくなったからとか、その原因も様々言われてますが、現代社会の中では、その生活環境や家族構成などによってなかなか「昔のように・・・」と言うわけにもいかず、お母様自身どのように接すればよいか分からない方もいらっしゃることと思います。’わらべうた’は一人ではできません。1、2歳の頃はお母様と、少し大きくなったらお友達と肌を触れ合ってうたい、あそびます。年齢に合った’わらべうた’は子どもが、音楽を楽しいものとするのに理想的な情緒的雰囲気をかもし出し、集団の中でともにあそび、喜んでうたうようになることにより人間的つながりを体験し、仲間との結びつきや協調性、ルールを守ることを実感し身に付けていきます。お母様にとっても子どもの感受性を育てる上で、最も素朴でたやすい方法と言っても過言ではありません。

 以上、コダーイ・システムの’わらべうた’の美的教育の四つの事柄について極めて簡単にご説明してまいりましたが、その優れた点はまだまだ語りつくせない所です。コダーイ・システムという教育方法は、世界的に専門家の間で広く認知され賞賛されているにもかかわらず、残念ながらわが国では、まだまだ一般的にその名が知られておらず、初めて耳にされた方も多いことでしょう。もし、もっと詳しく知りたいと思われる方は、是非一度ご見学にいらして下さい。




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